自己啓発書なのに堅苦しくなく、ノウハウも書いてない。
不思議な不思議な物語。心が元気になる、何度も読み返したくなる本。
残念ながら絶版になっていて中古本しかありません。こんな良い本が絶版とはもったいない限り。
いまのうちに3冊買いました。
1.読んだキッカケ
とある就職活動中の学生さんと話していたときに聞いた「自分は何をしたいのかわからない」という言葉・・・。
何かヒントはないかな?とネットを巡っているときに面白い話を発見しました。
「あるビジネスマンと漁師の話」
ざっと簡単にお話するとこんな感じのジョークなんです。
とある国に漁師がいました。
彼は、たくさん魚が取れる恵まれた自然の中にいるにもかかわらず一日分の魚しか捕りません。
一日分の魚を捕り終えると昼寝をし散歩をして子供と遊びます。
こんな生活をしているところに、遠いところからビジネスマンがやってきて漁師に言いました。
「もっと長く漁をすれば、余った分は売ることができる。魚が売れれば船が買える。船が増えたら工場を立てて10年もすれば外国に魚を輸出して大成功できるよ。お金が貯まったら引退さ」
漁師が言います。
「引退したらなにをするんだい?」
「好きなことをすればいいさ」
漁師が言います。
「ゆっくり起きて妻と朝食を食べ、昼寝をして、散歩をして子供と遊ぶとか?」
「そうだな。最高だろ?でも、その頃には子どもたちはすっかり大きくなってるかも知れないけどね」
この話は、どこかの民話なのかなと思っていましたが、どうやら何かの本の一節だとわかりました。
そこで、見つけたのがこの本だったわけ。
「やりたいことがわからない」
「自分の居場所がわからない」
「自分にとって何が大事なのかわからない」
そんなときのヒントにしたい一冊です。
2.概要
忙しさで余裕のなくなった毎日から抜け出すために旅に出た。
渋滞を抜けたつもりが道に迷い、たどり着いたのが一軒の小さなカフェ。
「なぜ、あなたはここにいるの?カフェ」という変な名前のカフェで、そこで出されたメニューには不思議な質問が3つ書かれていた。
なぜ、あなたはここにいるの?
なぜあなたは死を恐れている?
あなたは満たされている?
不思議なメニューと、不思議なウェイトレス、シェフ、お客さん。
主人公に渡される質問に不思議で軽快なやり取りが続きます。
不思議なカフェでのやり取りの末、たどり着いた答えは・・・。
3.おすすめポイント
とにかくほんわかした不思議な物語です。映画にしてほしいくらい。
おそらく、自己啓発書に分類はされるんだろうけど、ハウツーや押しつけは全くありません。
夜遅い時間の不思議なカフェでの不思議な質問と不思議なやり取りが「最後はどこにたどりつくんだろう?」とドキドキが止まりません。
「なぜ、自分は今、ここにいるのか?」
普段は忙しさに負けて考えていない大事な質問への「ヒント」があちこちに散りばめられています。
最初は展開が気になるのでさらっと読み、2回め、3回と読んでいくうちに、そのヒントが輝いてきます。
決して一回では終わらない深い深い本です。
時間を開けて、さらに歳を重ねても時々読み返したい、心が元気になる一冊です。
4.原書で読んでみる?
とても素敵な物語なので、生の声で読んでみたい人には原書がおすすめです。
平易な英語で書かれているので高校生以上の英語の勉強にも十分に使えます。
こちらは絶版になってないようです。